【分かりやすい】多系統萎縮症とは?訪問看護と訪問リハビリの役割

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多系統萎縮症は、脳や脊髄の一部が変性。身体が動かしにくくなる進行性の病気です。自律神経症状もあるので多彩な症状も出ます。 昭和のスター西城秀樹さんも闘病に苦しんだ1人です。 病気を完全に治す治療法はありません。それぞれの症状に対する対処療法が中心になります。

多系統萎縮症では、小脳の変性による症状(小脳症状)、大脳基底核の変性による症状(パーキンソニズム)、自律神経系の変性による症状(自律神経症状)があらわれます。具体的には、以下のような症状があります。

多系統萎縮症と小脳症状

小脳は歩く・立つ・座るなどの運動がスムーズに行われるように指令を出しています。 この部分の変性がすすむと…
・ふらふらしながら歩く
・何もないところでつまずく
・手足がふるえ体が動かしにくい
・言葉が話しにくいと
いった症状があらわれます。

多系統萎縮症とパーキンソンニズム

大脳基底核は、神経の集まりで、小脳とともに身体の運動をスムーズにする役割があります。 この部分に変性が進むと…
・一つ一つの動作がゆっくり
・筋肉がこわばり手足をスムーズに動かせなくなる
といった症状があらわれます。

多系統萎縮症と自律神経症状

自律神経は交感神経と副交感神経によって、さまざまな機能が正常に保たれています。 多系統萎縮症では、自律神経がうまく働かず…
・立ちくらみを感じる(起立性低血圧)
・トイレに行く回数が増える
・残尿感 や膀胱に尿が残る
・汗をかかないようになる
といった様々な症状に注意が必要です。

運動機能低下予防

筋肉のこわばりや運動量の低下から関節が固くなったり、筋力が低下していきます。リハビリテーションで関節可動域や筋力低下を防ぐことは重要です。日常的に歩く、起き上がるといった動作のリハビリや、バランス感覚を養ったり、運動して筋肉量を落とさないようにする事は、ADLを維持する為にも重要になります。

転倒予防

多系統萎縮症の方は小脳に影響が出だすと歩行にふらつきがみられます。パーキンソンニズムの症状では小刻み歩行になります。どちらの症状が出てきても転倒のリスクは高くなります。転倒予防の為に、機能訓練を行いながら、実際の家屋内の環境をみて適宜、福祉用具を導入し転倒予防に努めていきます。

ADLの維持・改善

多系統萎縮症の方は、小脳の症状やパーキンソンニズムの症状などにより、進行に伴って車イスや寝たきりの生活になる可能性があります。環境に応じた福祉用具の導入や介護者への介助方法の指導により、残存機能を生かしたADL動作を提案する事ができます。

全身状態の観察

多系統萎縮症の方は起立性低血圧をはじめ、多彩な自律神経症状や状態の変化があらわれる事もあります。訪問した時に全身状態の観察を行い早期発見や症状改善に努めます。急変時には主治医と連携を取り緊急訪問を行い適宜対応も行います。

感染症予防

感染症にかかると症状が急に悪化します。肺炎予防のためには誤嚥に気をつけて、食事の形態を変更したり、飲みこむ訓練を行う事で予防できます。尿路感染の予防の為には、膀胱に尿が残っていないか確認し、導尿の導入などの検討も必要になってきます。

褥瘡の予防・処置

多系統萎縮症の方は関節可動域や筋力低下が進行すると寝たきりになってしまいます。同じ姿勢で身動きが自分で取れなくなってくると褥瘡が発生するリスクもあがります。ポジショニングの指導で予防を行い、褥瘡ができた時は処置も行います。

多系統萎縮症の方は筋緊張が強いことで胸郭の運動が妨げられ息を吸うことが制限される事もあります。痰を出すのも困難になると気道をクリーンにすることができず気管切開をする可能性もあります。これをできるだけ防ぐために、早期から呼吸リハビリテーションを実施して胸郭の可動域を確保し、手や機器による排痰介助を加えることは有効です。気管切開をする以前に、鼻マスクを使って呼吸を補助する非侵襲陽圧換気療法を勧められる場合もあります。

多系統萎縮症の方は進行すると、パーキンソニズムや小脳失調、姿勢の影響で誤嚥性肺炎なりやすくなります。予防する為には姿勢の調整や咳をする力の改善も含めた嚥下リハビリによる嚥下機能の維持・改善が重要になります。それ以外にも、普段の食事生活でも注意深く観察し、食事形態の変更や食事姿勢の調整、食事介助の方法の選定も誤嚥性肺炎を予防する為には重要になってきます。

意思を伝え、感情や考えを共有するので生活の質に大きく影響します。療養生活を送る上でもコミュニケーションが取れる事は重要になります。 コミュニケーションが取りづらくなると、コミュニケーション機器(意思伝達装置など)を使ったり、50音表や透明文字盤などの方法を用いて代用も行えます。 お悩みの方は訪問看護ステーションに一度ご相談してみてください。

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