【介護動画付き】とろみ剤の使い方・水分にトロミを付ける作り方

目次

new!おすすめ動画 とろみ付けを分かりやすく解説&実演!

内容
とろみ付けの基礎知識
とろみのつけ方の基本
とろみのつけ方【2度混ぜ】
とろみのつけ方【ビール】

とろみ剤を使用するメリット・デメリットは?

介護食のとろみ剤は誤嚥予防の為に介護の現場で必要な方が多いかなと思います。ただメリットとデメリットがあります。メリットとして水分にとろみをつける目的は、まとまりを良くし口や喉の中を通過する速度を遅くする事で誤嚥を軽減させるのに有用になってきます。(ゴックンのタイミングが合いやすくなる)

図 とろみ剤を使用するメリット

デメリットとしては、とろみをつけ過ぎるリスクとして、液体の粘度が増して喉に貼りつきやすくなってしまいます。喉に貼りついて残ることを「咽頭残留」といい、場合によっては誤嚥の原因になる事もあるので注意が必要です。そのため、とろみのつけ方には注意が必要になってきます。なので今回は、とろみ剤の使用の仕方の確認と、とろみが付きにくい飲み物のとろみの付け方をまとめてみました。(水分摂取の環境設定と食事介助の留意点はこちら▶)

とろみ剤の使い方/とろみの濃度の選定

とろみの濃度は、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021」もしくは「2013」に基づき、「薄いとろみ」「中間のとろみ」「濃いとろみ」の3段階の分類が基準となります。市販されているとろみ剤も日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類」に準じて分類されている物が大半だと思います。(メーカーによっては4段階に分類も)各とろみの特徴について詳しく説明します。

図 とろみの濃度

①薄いとろみ

とろみがついていることがあまり気にならない程度の濃度です。スプーンを傾けるとスッと流れる落ちる。カップを傾けて流れ出た後は、うっすらと跡が残る程度の付着。薄いとろみは、ストローでも簡単に吸える程度なので、飲み込みも容易です。

②中間のとろみ

中間のとろみは、脳卒中後の嚥下障害などで最初に選択されやすいとろみです。スプーンを傾けるととろっと流れ落ちる。カップを傾けて流れ出た後は、全体にコーティングした様な付着。ストローで吸うとやや抵抗があります。

③濃いとろみ

ケチャップのようにドロッとしているので、とろみがついていることが明らかに分かります。スプーンを傾けても流れにくく、形状がある程度保たれます。カップを傾けても流れ落ちない。ゆっくりと塊になって落ちる。ストローで吸うのは困難です。

とろみ剤の分量はパッケージを参照して作る

市販を使用する時は、各メーカーの商品パッケージに表示されている使用量の目安を確認し、ご利用して下さい。日本介護食品協議会では、トロミの状態についてメーカー間の表示を統一し、トロミのつき方を3~4段階のイメージで表現しています。※上記にも記載しましたが、市販されているとろみ剤も日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類」に準じて分類されている物が大半だと思います。下記の図の様に3段階分類だと左から「薄い」、「中間」、「濃い」と、トロミの濃さを調整できます。

図 市販のとろみ剤のトロミのつけ方の記載例

とろみ剤 作り方

とろみの濃度の選定ができたら次は水分にとろみをつけます。正確にトロミの濃度を再現するのに計量カップを使用する事をお勧めします

とろみ剤 ダマにならない方法

水分にトロミを付けるのに上手くとろみ剤が混ざらないとダマになってしまいますよね。ダマができるととろみが均一についていないので誤嚥の原因になります。ダマになるのを防ぐコツとして、とろみ剤を混ぜるときは円状にかき混ぜ後にスプーンを前後に動かすとよく混ざります。ミニ泡だて器があれば使用してみて下さい。もっと素早くきれいにトロミを付ける事ができます。とろみ剤を入れる順番も先に容器にとろみ剤を入れて液体を注ぐほうが混ざりやすくなります。もしくは、先に水分を入れかき混ぜながらとろみ剤を入れます。これらは液体に対流が起こり、まんべんなく混ざるからです。

図 ダマにならない方法

とろみのつき方の違い

とろみのつき方は飲み物、食べ物によっては違いがあります。これは種類によってとろみ剤が水分を吸収する時間が違うからと考えられてます。水やお茶は、とろみ剤の吸収が早いので、とろみ剤を入れてからしばらくすると、とろみがつきますよね。けど、牛乳やみそ汁等の混ざり物が多くなると、水分の吸収が遅くなるのでトロミが付くのにも時間がかかるようです。

とろみが付きにくい飲み物へのトロミのつけ方「2度混ぜ」

濃厚流動食や牛乳、オレンジジュース等の果汁飲料、スポーツドリンク等のとろみが付きにくい飲み物は「2度混ぜ」する方法が勧められています。「2度混ぜ」をすると、水やお茶と同量のとろみ剤で同じ程度の「とろみ」をつける事ができます。上記の商品はとろみが付かないのではなく、トロミが付くのに時間がかかってしまうのです。

2度混ぜの方法
1)とろみ剤を飲料に加えて、30回以上かき混ぜる。
2)5~10分間程度放置する
3)もう一度、30回以上かき混ぜる。

図 2度混ぜの方法

2度混ぜの効果として・・
トロミを付ける時間が短縮。2度混ぜ:約10分、1度混ぜ:30分以上
例えば、コップ一杯の牛乳でも、これだけの時間差があります。
②1度混ぜが不十分だと、時間が経つにつれて「とろみ」のついた飲料がコップの下の方に沈殿してしまうことがありムラが出来ます。2度目にしっかりと勢いよくかき混ぜておけば、均一なとろみに仕上げることができます

炭酸飲料(ビール)にとろみをつける方法

1晩冷蔵庫で寝かす方法(日本摂食嚥下リハビリテーション学会 名古屋開催での方法を紹介)

1)ペットボトルの蓋を開け規定量のとろみ剤を入れる。ビールにとろみを付ける場合は、空のペットボトルにビールを入れる。
2)素早く蓋をして、ペットボトルを1分間程度振る。
3)ペットボトルを横にして、1晩寝かす。
4)次の日には、炭酸にとろみが付いています。

すぐに炭酸飲料にとろみ付けて飲む時の方法

1)トロミの濃度を選定し、とろみ剤を先にコップに入れておく。
2)飲む量の半分程度を目安に炭酸飲料を入れ30回程度混ぜます。しばらく放置してとろみが付くのを待ちます。
3)残りの炭酸飲料を加え、なじませるように軽く混ぜます。
ビールのトロミ付けにはこの方法はあまり向かない様です。ビールの泡と反応して泡と分離状態になります。飲んだ時の感想は、個人差はあると思いますが、ハイボールは炭酸のシュワシュワ感は多少ありトロミ付けも良好でした。

とろみ剤の使い方と作り方 まとめ

とろみ剤の使い方についてご紹介させて頂きました。嚥下の状態によって、適切なとろみの濃度は一人ひとり異なってきます。まずは、その人に合った適切なとろみの濃度を選定する事が大切になってきます。とろみの濃さをどの程度にしたらよいのか困っている時は、専門家に相談する事をお勧めします。トロミを付ける飲料も水やお茶だけでなく色々な物に付ける事ができます。トロミが付きにくい飲み物は2度混ぜの方法がお勧めです。是非試してみて下さい。

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