【簡単に解説】誤嚥性肺炎を予防する為の食事形態の段階と変更基準

誤嚥性肺炎になると、禁食になることも多いかと思います。抗生剤で状態が改善し経口摂取再開する時、皆さんはどの様にして食事形態をチョイスされているでしょうか?悩む人もいてたら、迷わずこれ!と簡単に決めれる人もいたり様々かなと思います。実は禁食後や誤嚥性肺炎になるリスクが高い人に推奨されている嚥下食の選び方、考え方があります。今回はそれを紹介したいと思います。

目次

そもそも嚥下食(嚥下調整食)とは?

嚥下機能が低下すると普通食を食べるのが難しくなるので、調理を工夫し食べやすくする必要があります。そこで柔らかさや形態を調整し飲み込みやすくした食事の事を嚥下食(嚥下調整食)と言います。この嚥下食の分類は色々とあります。

この嚥下食の分類は色々とあります。有名な物で言うと日本介護食品協議会のユニバーサルデザインフードがありますよね。今回紹介するのは、嚥下関係の業界の中で一番有名と思われる分類で、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が策定した嚥下調整食分類2013(改訂して2021になりました)で禁食後の選定方法を説明したいと思います。

食事形態の段階

学会分類では食形態を表す段階をコード0、コード1,コード2,コード3,コード4の5段階にて示し、食べやすい順に0から大まかにならんでいます。(症例によっては食べやすい順番がこのコード通りにはいかないので要注意)

例えばコード2-2の物を食べている人が嚥下機能が良くなって次のステップの形態をチョイスする場合はコード3に分類されている食べ物。逆に調子が悪く誤嚥が目立ち始めたらコード2-1に分類されている物をチョイスするという感じで使います。コードの詳細については学会ホームページをご参照下さい。

食事形態変更基準

肺炎になって禁食になった場合や長期間経口摂取していない場合など、誤嚥する可能性がかなり高くなる事が考えられます。そういう時はまずコード0jか0tから選んでいきます。jはゼリー状、tはトロミ状の略になります。どちらも嚥下訓練食品と位置付けられていてタンパク含有量が少ない物が推奨されています。タンパク質が多く含んだ物を誤嚥すると誤嚥物が菌の培地となり肺炎を発症させやすくなると考えられています。なので禁食後はタンパク含有量の少ない物を選びます。

そこで問題無ければ1Jもしくは2-1と進んでいきます。0jと1jの違いは0jは丸のみでも可能な形態、1jは多少送り込む時に口蓋への押し付けが必要な物となっています。1jになるとタンパク質の量の多少は問わないとされています。誤嚥なく摂取可能であればコードを進めていき誤嚥する場合はコードを戻していくという流れになります。

訪問での介護・看護の食事形態の考え方

訪問でのサービス提供となるとこの通りにいかない事は多いです。病院と違い自由度が高いので致し方無いと思います。ただ本当に誤嚥するリスクが高い場合などは、この嚥下調整食分類の考え方は重要になるので、参考にして利用者様や医療福祉関係者に提言していく事は大事だと思います。

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