サルコペニアって何ですか?
筋肉は何歳になっても大事ですよね?骨格筋の減少と筋力低下が起こる事をサルコペニアと言います。ギリシャ語でサルコ=筋肉、ぺニア=喪失を意味し、合わせてサルコペニアという造語になります。骨格筋の減少は死亡や要介護、入院、転倒など有害健康転帰に影響するので筋肉量が減らない様に予防が大事になります。
サルコペニア、フレイル、ロコモティブシンドロームの違いは?
最近、サルコペニア、フレイル、ロコモティブシンドロームという似た用語をよく見ますが、違いは何でしょうか?
サルコペニアは加齢に伴う骨格筋量の減少と筋力低下の事、フレイルは加齢に伴う生理的予備機能が減少し、様々なストレスに対する脆弱性が更新した状態を言います。
ロコモは、骨、関節、骨格筋などの運動機能の低下をきたした状態になります。この3つの概念をまとめると、フレイルのなかにロコモが含まれていて、ロコモのなかにサルコペニアがあると考えると分かりやすいように思います。
サルコペニアの原因
サルコペニアは加齢が主な原因です。 年齢を重ねると、運動量の減少とともに成長ホルモンなどが減少します。 加えてタンパク質が不足しがちになり、筋肉が作られる量よりも分解される量の方が増えてしまいます。 詳しく原因を分けると、加齢以外の原因が考えられない場合を、一次性(原発性)サルコペニア、寝たきりや重症な臓器不全など、加齢以外が原因の筋力低下の症状を二次性サルコペニアとよびます。
サルコペニアの診断基準(EWGSOP*)
サルコペニアは、下記の項目1)を裏付ける証拠に加え、2)あるいは 3)を満たす場合に診断されるそうです。
1.骨格筋量
微弱電流を利用したBIA法やCT.MRIを用いて筋肉量を測ります。
2.握力
男性:26~30㎏、女性は18~20㎏未満がサルコペニアを診断する基準となります。
3.歩行速度
1秒あたり0.8~1mの速度で歩けるかを測ります。
詳しくは知りたい方は医療機関にご相談して下さい。
サルコペニアとふくらはぎ
サルコペニアの確認は自分のふくらはぎでセルフチェックする事ができます。
ふくらはぎ周囲の長さを測る「指輪っかテスト」という検査法は大雑把にはなりますが簡単にサルコペニアの有無を確認できますよ。
検査の仕方:ふくらはぎの一番太い部分を図の様に両手の親指と人差し指で輪を作って囲みます。
結果:作った輪よりも小さく隙間ができれば、サルコペニアである可能性が高いと考えられます。
サルコペニアの予防
サルコペニアを予防する上で重要なのは、筋肉量を減らさないための適度な運動と栄養バランスの取れた食事。それを日々の生活にどれだけ取り入れるのかという事になります。運動不足や食べる物の偏りが気になる方は、無理のない範囲で改善していきましょう。
運動でサルコペニア予防
筋肉量を増やし、筋力や身体能力を改善するためには無酸素運動と有酸素運動が効果的であることが言われています。どちらか一方の運動に偏るのでは無く、無理の無い範囲でバランスよく両方の運動を行うとより効果的です。
有酸素運動
ウォーキングやジョギングなど長時間にわたって低〜中程度の負荷をかけていく運動です。酸素を使って体内の糖質や脂質をエネルギーに変換するので糖分を使い脂肪燃焼の効果も期待。ダイエットや健康維持目的で運動する人も多いです。
無酸素運動
短距離走や筋トレなど短時間で高い負荷をかける運動の事です。筋肉を収縮させるエネルギーを酸素を使わずに作るのでこの様に呼ばれてます。中~強度の無酸素運動を週3日以上習慣的に行うと 体脂肪燃焼、循環器機能の向上も期待。
運動が続かない
健康、美貌に大事だけど続かない。そんな方多いですね。 おすすめは、 ①歩数計などのデバイスの使用(数値化で目標設定) ②運動の記録(運動への意識を保つ) ③記録を元に指導をうける(意欲向上) などの工夫を。運動が続く様にがんばりましょう!
栄養でサルコペニア予防
タンパク質
筋肉量を増やすには肉類や魚類、乳製品、卵、大豆などタンパク質の摂取が効果的です。 それと同時に筋肉を動かすエネルギー源となる炭水化物(米・パン・麺)、タンパク質の働きを助けるビタミンB6(マグロの赤身・レバー・鶏ささみ)などバランスよく摂取していくことが大切です。
運動とタンパク質摂取のタイミング
筋力upを考えた時、いつタンパク質を摂取すると良いでしょう? 答えは運動直後が〇 若年~高齢者ともに、運動1~2時間後に筋蛋白の合成反応が高まるので、そのタイミングに血中アミノ酸濃度を高めるのが良いそうですよ。
ビタミンDも忘れずに
筋肉にタンパク質は重要ですが、他にも取っておきたい栄養があります。 それはビタミンD。注目されてます。 筋肉量を増やす効果は無いようですが、筋肉の収縮力を高め、筋力増強効果は期待できるそうですよ。 はなこも魚を食べてビタミンDを補強するぞ!
まとめ
サルコペニアとその予防方法についてまとめました。決して他人事ではなく高齢になるとよく見かける事は多いです。サルコペニアになってしまったらどうしよう…と怖がる前に、まずは今の食生活や運動習慣を見直して、できる範囲からやってみてはどうでしょうか?