訪問看護・訪問リハビリで食事姿勢を良くする運動 | 嚥下リハビリ

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食事姿勢が悪いと?

嚥下は姿勢が大事だとよく言われています。頸部が伸展したり身体が左右に大きく傾いたり、不良姿勢は誤嚥のリスクを高める1つの要因になりますよね。PT,OT,STによる姿勢調整や環境調整は不良姿勢の対策として有効だと思います。ただ日頃から体操等で予防に努めていく事も不良姿勢対策としてとても重要だと思います。今回は姿勢を整える運動をまとめたいと思います。

食事姿勢と嚥下の関係

不良姿勢が嚥下にどの様に影響するのでしょうか?嚥下で不良姿勢の代名詞になりやすい頸部伸展位と良肢位の頭頚部(下顎~胸骨まで4横指程度)を一例として比較しながら説明したいと思います。

良い食事姿勢(下顎~胸骨まで4横指程度)

良肢位の頭頚部でゴックンした瞬間の筋肉(下の図の左)

まず①舌骨上筋群が収縮して舌骨を前上方に持ち上げます。その時②舌骨下筋群は弛緩します。弛緩する事が出来るので舌骨上筋群は力強く舌骨を持ち上げる事が出来るのです。

図)下顎~胸骨まで4横指程度でのゴックン

良肢位の頭頚部でゴックンした瞬間の咽頭の動き(上の図の右)

では舌骨を持ち上げた瞬間、咽頭の動きはどうなるのでしょうか?順番ははっきり分かりませんが、⓵軟口蓋が(上顎の奥側)挙上して鼻腔を閉鎖②喉頭蓋が倒れて気管を閉鎖③舌根の後方運動で食塊を咽頭に押し込む④咽頭後壁が収縮して舌根と一緒に食塊を咽頭に押し込む⑤閉じている食道を広げ食る。そうする事で食べ物を食道に送り込みます。

食事姿勢(頸部伸展)が悪いと誤嚥に影響

頸部伸展位でゴックンした瞬間の筋肉(下の図の左)

頸部伸展する事で①舌骨下筋群が引き伸ばされます。その状態でゴックンすると②舌骨上筋群が収縮して舌骨を持ち上げようとしますが、舌骨下筋群がピンピンに引き伸ばされているので、舌骨を下に拮抗して引っ張ろうとします。結果、舌骨は十分に持ち上がりにくくなります。

頸部伸展位でゴックンの瞬間の咽頭の動き(上の図の右)

では頸部伸展し、舌骨が十分に持ち上がらないと咽頭ではどんな事が起きるのでしょうか?①喉頭蓋が蓋をせずひどい場合だと反り立ったままになる。②食道の入り口が開きにくくなる。③そもそも頸部伸展位は気道の方が開大する。など個人差はありますが伸展すればするほど①~③現象が強くなり誤嚥する可能性がアップします。健全な皆様でも思いっきり上を向いて唾をゴックンすると頸部前面に普段と違う抵抗感を感じると思います。

食事姿勢が悪くなる原因

座位や立位で姿勢が崩れる人はなぜ崩れるのでしょうか?頸部伸展になる一例として下の図の様に、積み木に例えて説明してみますね。①は正常な積み木を下から積み上げています。綺麗に積み上げる事が出来ていますね。②の積み木は体幹の傾きの影響で頸部が伸展しています。③の積み木は足の傾きが骨盤、体幹にまで影響し、最終的には頸部が伸展していますね。

姿勢の崩れを積み木でイメージ

つまり姿勢というのは座位、立位関係無く、身体の一つの部位が他の部位に連鎖して影響します。身体が真っ直ぐで首だけ伸展している人っていうのはほとんど見かけないです。大体は②、③の様に他の部位の拘縮や変形が全身に影響し首が伸展している事がほとんどです。食事の際の不良姿勢をポジショニングや嚥下リハビリで補正するに時も、頭頚部だけに着目せず、もっと土台となる下肢、体幹、骨盤(上肢)といった所にも目を向けていく事が重要になります。なので今回は下肢、体幹を含めた運動を紹介したいと思います。(例として頸部伸展で比較しましたが、必ずしも頸部伸展が悪いわけではないです。誤嚥しなければ様子観察でよい事もあります。)

椅子に座ってできる食事姿勢を良くする運動

本来は個別に本人様の状態に合わせた運動メニューが一番ベターですが、ここでは自宅や施設の色々な人が幅広く運動できる椅子座位での運動メニューを紹介したいと思います。関節が固まると上での説明の様な不良姿勢になりやすくなります。なので、関節が固まらない様に予防する(拘縮予防)運動をピックアップしました。

椅子に座ってできる体操
足の体操体幹の体操首の体操
※直接クリックすると飛びます。

足の体操

下肢は主にこの3つの関節が体幹や頭頚部の姿勢に影響すると考えられています。それぞれ運動をピックアップしたいと思います。

股関節の運動 屈曲と外転

左脚に次は右足も行う

股関節の運動 外旋と内旋

左脚の次は右脚も行う

膝と足関節の運動

右脚の次は左脚を行う

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体幹の体操

体幹の動きはこの3パターンになります。体幹が横に傾いたり円背にならない様な運動をピックアップします。

体幹の後屈を促す運動

体幹の側屈と回旋の運動

左側の次は右側を行う

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首の体操

首の動きはこの3パターンになります。首が横に傾いたり伸展位にならない様な運動をピックアップします。

首の全体的な運動

首周囲の筋肉のストレッチ

右側、左側順番に行う。

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まとめ

姿勢を整える運動を紹介しました。多分1度はどこかで見た事のある物や、実際にやった事のある物がほとんどだと思います。特に施設の介護職の方は集団体操をされるので詳しいと思います。口腔体操以外にも全身を使った体操も誤嚥性肺炎予防に繋がると考えられています。一番良いのはコツコツと日頃から上記の様な運動を行ってもらい不良姿勢になる事を予防する事だと思います。拘縮(関節が固まる)等できていしまうと改善が難しくなってきます。やはり専門職の立場から、自主的に普段から運動を行うように、モチベーションを高めるような声掛けや工夫って大事ですよね。

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