誤嚥性肺炎の予防とは

 2022年3月5日  最終更新日時 :2022年3月5日 にじリハ花子

目次

誤嚥性肺炎予防の考え方

口腔・喉の筋力や感覚の低下、姿勢の問題や脳神経の問題等で誤嚥は起きます。では喉の筋力増強運動や口腔・咽頭の感覚入力するだけで誤嚥性肺炎は予防できるでしょうか?答えは「△」ですね。できるかも知れないし無理かも知れない。ただ、もう少し広い視点でみる方が、予防する為の選択肢が増え、患者様・利用者様が好きな物を食べ続ける事に寄与する事に繋がると思います。ここでは予防の観点を、野原幹司先生の「認知症患者さんの病態別食支援」を参考に、「誤嚥物の量・性質」「呼吸喀出機能」「免疫機能」の4つのポイントに分けて説明します。

誤嚥性肺炎を予防する為の4つのポイント

⓵誤嚥物の量

一番予防のイメージがしやすいと思います。誤嚥物の量が多いという事は、それだけ気管に飲食物が入ってしまうという事になります。気管に多く入れば入るほど誤嚥性肺炎になる可能性は高くなりますよね。誤嚥物の量を減らす事は誤嚥性肺炎予防を検討するうえでの第一選択になると思います。

誤嚥物の量が多いという事、つまり気管に飲食物が流入しやすいという事は口腔・咽頭が上手く働いていないという事になります。なので予防としては、食事摂取している状況を見直し姿勢や食事形態、介助方法を調整したり、口腔・咽頭の運動をし嚥下筋を強くしたりする事で誤嚥性肺炎を予防できるかもしれません。

②誤嚥物の性質

誤嚥物の性質は誤嚥した物が「汚い」か「汚くない」かという事になります。どういう事かというと、口腔内には非常に沢山の細菌がいますよね。口腔ケアが出来ていないと口腔内にたくさんの細菌が繁殖している事になります。口腔内に細菌がたくさんいる状態で誤嚥して気管に入ってしまうと、たった一回の誤嚥でも刺激が強く致命傷になるかも知れませんね。それと比べ口腔ケアがきっちりされている状態だと、誤嚥しても細菌の数が少ないので刺激は弱く肺炎にならないかも知れません。

つまり口腔ケアがきちんと「できている」「できていない」だけで、極端にいうと、たった1回の誤嚥が肺炎になったりならなかったり変わってきます。さらに口腔ケアはサブスタンスP濃度が上昇し嚥下反射の改善も報告されています。なので予防を考えるなら口腔ケアは重要ですよね。

③呼吸喀出機能

食事中のムセは嚥下障害の中核症状って言ってもいいと思います。気管に入ってもしっかり喀出できるくらいの呼吸機能(咳をする力が強い)があれば肺の方まで流入せず喉頭侵入ですみますよね。声帯や肺に問題があり咳をする力が弱いと喀出できず気管の方まで流入してしまいます。

気管の方に入っていかないように咳をする力をつける事も誤嚥性肺炎の予防という観点で大事な考え方になってきます。咳嗽力を向上する為にレクリエーションでカラオケとか呼吸リハビリは有用な予防方法だと考えられます。

④免疫機能

生体の免疫力は栄養状態によって支えられています。低栄養で筋肉量が減少している人は感染症に対する免疫力が低下していると言われます。誤嚥性肺炎も結局一緒なんです。誤嚥して気管に入ったとしても栄養状態と運動量が良好だと肺炎になりにくくなります。逆に低栄養で寝たきりの人は誤嚥すると誤嚥性肺炎になりやすくなります。

予防する為には栄養摂取方法の見直しや検討。運動量や「しているADL」を改善し活動量を増やす等の再検討が重要になってくると思います。

誤嚥性肺炎予防のまとめ

基本的には誤嚥する量を減らすために食事評価をし食事内容の見直しや検討。加えて嚥下リハビリ等の訓練が第一選択だと思います。それと並行し口腔ケアをして誤嚥した時の刺激を軽減する事はよくある対策だと思います。そこに加えて咳をする力をつける為のカラオケ等のレクリエーションや呼吸リハビリ、免疫力を高める為の栄養療法や運動療法を加えるとより誤嚥性肺炎予防の効果は高まると考えられます。この広い観点で考えると「むせるから・・誤嚥するから禁食」というのは間違いかもしれませんね。どうしても誤嚥するなら、口腔ケアを徹底し、呼吸リハビリで咳をする力を向上し栄養療法で栄養状態を良好に保てば誤嚥していても肺炎にならず、食べれるという状態を続ける事ができるかもしれません。広い観点で予防を検討してみましょう。

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